株式会社ヤスナ設計工房

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PROJECT STORY グローバル拠点を確立せよ -YASNA VIETNAM 設立プロジェクト-

ヤスナ設計工房が2017年に設立したYASNA VIETNAM。
創業以来はじめての海外事業であるベトナムプロジェクトの経緯や、そこから得られた成果について紹介する。

YASNA VIETNAM 設立プロジェクト
  • 日越事業統括部補佐 仲田

    仲田 佑介

    日越事業統括部補佐

    2011年入社。設備関連、建機、原子力といった設計を経て2016年より日越事業統括部へ。主にベトナム人社員への教育と設計部とのコーディネートを担当。

  • 日越事業統括部長 植村

    植村 文寛

    日越事業統括部長

    2001年入社。ボイラー、プラントなど各種設備関連の設計業務を経て日越事業統括部長に。YASNA VIETNAMの立ち上げとその後の運営に携わる。

  • 日越事業統括部補佐 伊藤

    伊藤 一馬

    日越事業統括部補佐

    2008年入社。プラントやシールド、移動機器の設計を経て2018年より日越事業統括部へ。神戸支店や本店でのベトナム人社員への教育、コーディネート業務を担当。

YASNA VIETNAM発足まで

YASNA VIETNAMプロジェクト発足の経緯についてお聞かせください

植村:もともとは当社が創立50周年を迎えた2012年に、新たな目標として海外進出を掲げたことからスタートしています。ベトナムには当時でも1,500社以上の日本企業が進出していましたが、当社の狙いはオフショアリング(人件費の安さを理由にシステム開発や運用をアウトソースすること)ではなく、あくまで日本国内と同等のクオリティをもつ設計や関連サービスをベトナムで構築し、現地の日系法人や海外企業に提供することにありました。

植村部長がプロジェクトの立ち上げメンバーに選ばれた理由は?

植村:それまでにも海外業務の経験がありましたが、語学はそこまで得意ではなかったので、正直「自分で大丈夫なのか」という不安もありました。しかし、現法の立ち上げはこれまでやってきた設計の仕事とは異なるスキルを獲得できるチャンスにもなります。「新しいことをしないとレベルアップできない」というのが私の基本的な考え方ですから、思い切ってやってみることにしました。その後はベトナム人社員一期生4名が2013年に入社し、日本で語学研修やOJT的な設計指導、将来の現地法人のマネージャー候補としての教育を行いながら、現法設立の手続きなどはコンサルティング会社経由で進めていきました。

仲田:私がプロジェクトに参加したのは2016年です。まだYASNA VIETNAMの設立前で、2期生3名が入社していました。覚えているのは、私が入ってすぐに植村部長がベトナムに行ってしまい、新規事業推進室(当時、現日越事業統括部)の運営を任されたことですね。業務に不慣れなうえに、もともと人の前に立って何かをやることが得意ではなかったのですが、父からも「楽な方を選ばず、より厳しいと思う方向に進みなさい」と言われていたこともあり、自分なりに必死に取り組みました。

植村:自分はベトナムでの活動に手いっぱいだったので、上層部が参加する会議に出てもらって成果報告をしてもらうなど仲田君には助けられましたし、自身もこの経験で大きく成長してくれたと思っています。

伊藤:私も当時の仲田さんの苦労を、個人的に聞いていました。私はもともと植村部長、仲田さんとは同じ部署にいて、私が神戸支店にいったあとも二人を通してベトナム人社員に仕事をお願いしており、なんとなく状況はつかめていました。

YASNA VIETNAM発足までYASNA VIETNAM発足まで

現法設立と人材育成

2017年4月に、YASNA VIETNAMが正式に立ち上がりました

植村:当時の心境としては、手応えよりもプレッシャーが強かったですね。手続きなどは外部に委託していましたから、私はいかに海外で定常的に利益を生む組織を作れるかに集中していました。幸い、1期生として入社した4人のベトナム人社員の教育を私が担当しており、気心も知れている皆で「YASNA VIETNAMを大きくしていこう」という思いがありました。その後は現地での採用活動に力を入れていきました。ベトナムは日本式の新卒一斉採用、長期雇用型ではなく、「ジョブホッピング」式に転職を繰り返しながらキャリアアップを図る国ですから、採用した社員を教育し、しっかりと定着してもらうためにどうすればよいかは、今でも試行錯誤しています。

仲田:私も2期生以降の教育を担当しています。ベトナムの文化として、指示されたことがわからなくても「わかりました」と答えてしまうようなところがあり、はじめは面食らいましたね。また、2期生は皆さん優秀な方ですが、語学やコミュニケーションが得意な人、設計の技術に秀でた人と個性がはっきりしていました。教育面でも一律の指導ではなく、それぞれの長所や短所を踏まえたうえで接するように心がけていました。

伊藤:私はYASNA VIETNAM立ち上げから約1年後の2018年に日越事業統括部に入りました。その前から植村さん、仲田さんを介さずベトナム人社員と直接やりとりできるよう になっていたこともあり、辞令は「やっぱりきたな」という感じでした(笑)。

仲田:伊藤さんが来てくれて、こちらはとても心強かったですね。私は仕事を抱えてしまう傾向があるのですが、気楽に話せる伊藤さんが部にいることでとても楽になりました。

伊藤:私は3期生から設計業務の指示出しや教育に携わりましたが、ベトナム人社員と日本人社員の間のコミュニケーションには特に気を使いましたね。仕事はしっかりしてくれることは皆わかっているのですが、文化の違いや言葉が壁になってちょっとした会話ができず、距離感も縮まらないという状況でした。自分なりに間に入ってコミュニケーションを図るうちに徐々に打ち解けてきて、雰囲気も変わってきました。

植村:いくらベトナム人社員が増えても、当面は設計部の日本人社員との間に増える社員がいなければ仕事のボリュームも増やせません。伊藤さんは物腰も柔らかく、人柄的にもベトナム人社員と日本人社員の橋渡しには適任だと思います。

現法設立と人材育成現法設立と人材育成

今後の展望

直近ではどういった活動をされていますか?

植村:採用活動の方は継続的に力を入れており、現在はベトナム4期生と、日本で長期間働くことを前提にしたベトナム人社員の採用も行っています。現在、コロナウイルスの影響で私たちがベトナムに行けない状況ですが、1期生の3名が各部門のマネージャーとしてYASNA VIETNAMを切り盛りしてくれています。営業面では、これまで日本の設計部から出す仕事が中心でしたが、在ベトナム、ASEAN企業からの発注を増やせるように動いており、いくつかの実績にも結び付いています。

仲田:個人的には、コロナ前に現地での採用のお手伝いを経験させてもらいました。また研修や技術の評価といった業務にもトライしており、できることを増やしていきたいと思っています。

伊藤:私も一度ベトナムに行って、現地で新人教育を経験させていただき、現在は主に4期生の教育に力を入れています。

植村:仲田君、伊藤君は日越事業統括部に来て本当に成長してくれたと思います。それぞれ高い目標をもってもらい、更に新しいことに取り組むようにお願いしているところです。今後はベトナム語を覚えてもらえたらなおよいですね。ベトナム社員たちもうれしいでしょうし、日越事業統括部にいるメリットを生かして語学力を磨いてもらえれば。

仲田:ありがとうございます。自分自身はマルチタスクが苦手で、仕事のキャパシティを広げていくことが今後の課題だと感じているのですが、植村部長にはいつも周囲が納得する解決法を提示していただき、能力を引き出してもらっている印象です。

伊藤:確かに、皆の意見をまとめてわかりやすくアドバイスできる点は植村部長ならではだと思いますし、そのスピードも速いですね。個人的には私たちを介さずに、設計部員がベトナム人社員に直接仕事を出せる関係性をつくることを目標にしているので、植村部長の働きぶりは大いに参考になります。

植村:ありがとうございます。私も仲田君や伊藤君がベトナム人社員に接する様子をみて、学ばせてもらうことが多々あります。二人には、自分がYASNA VIETNAMの立ち上げで経験したことをどんどん共有していきたいと思っています。ベトナムは日系企業が多く、ライバルもたくさんいますから、将来他国に現法を展開する際には中心になってもらわなければなりませんから。

最後に、今後のYASNA VIETNAMの目標についてお聞かせください

植村:個人的にベトナムプロジェクトは道半ば、まだ立ち上げも終えていないと考えています。「より稼げる現法」になるには、ベトナム人社員による自律的な組織運営が不可欠であり、そのための人材育成にはより一層力を入れていきます。またベトナムでの営業活動も更に拡大させていきます。ごみ処理施設やバイオマスボイラーだけでなく、ベトナムやASEAN地域は水インフラの案件が多いため、よりフレキシブルに対応できる体制を作って、海外でのシェアを伸ばしていきたいと思います。

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